ヘソに入り込んだマダニ
山仕事後、作業衣を脱いでいるときにヘソにチクッとした痛みがあり、自分では確認できないのですが経験からダニ咬傷を疑って来院されました。
臍窩(ヘソの穴)に虫体が見えますが頭部は皮膚の間に入り込んでいて幸いに吸血していないようです。口器を取り残さないように周囲皮膚を付けて切除しました。
吸血中のマダニを無理に取ろうとすると体液が人体に入ったり口器が皮膚に残る事があります。
マダニからウィルスやリケッチアが人体内に入ると重症熱性血小板減少症や日本紅斑熱やライム病にかかり死亡することも有ります。
重症熱性血小板減少症候群は1~2週間の潜伏期の後に発熱など全身の症状や神経症状など起こします。日本では毎年約100人の発症が有り5~10人が死亡しています。
マダニは春から秋にかけて野性動物が通る草むらにいます。
山歩きや墓掃除などで草むらを通るときはズボンのすそや襟元からマダニが入らないように注意する必要があります。
また、室内に入る前に充分にはたいて虫を持ち込まないように注意する必要があります。
(山本尚)
過去記事 こちらもご覧ください。
2020.9.3 マダニに注意
2020.6.15 マダニの季節
2021.7.6 マダニに咬まれたら