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1990年頃までは東京の秋葉原や大阪の堺筋には音楽再生の機器を専門に取り扱うオーディオ店が軒を並べていました。
「ステレオ」や「ステレオサウンド」といったオーディオ雑誌や「FMfan」や「FMレコパル」などのFM放送番組を取り上げた雑誌も発行されていました。
各店舗には立派な試聴室があり何百万円という高額な機器を展示していました。
その後、家電量販店のオーディオコーナーで商品が取り扱われるようになっても試聴コーナーとして商品が展示されていました。
そして音楽がデータとして取り扱われるようになると、レコードプレーヤー、オープンやカセットテープデッキ、CDデッキ、プリアンプ、メインアンプ、そしてタンス並みに大きいスピーカーなどを店先で見ることが無くなりました。
今回紹介するのは、私が40年間以上も懇意にしているオーディオ店です。
店内には今は滅多に見られなくなった世界中の名機がそろっています。
オーディオのサウンドとしてはアメリカ西海岸を中心としたウエストコーストサウンドとイギリスを中心としたヨーロッパサウンドがあります。
こちらのお店ではヨーロッパサウンドを中心に取り扱っています。
店主は測定値に頼らず自分の耳で音質評価をして、単純な回路とシステム構成により音源を正確に再生することを目指しており、その姿勢に対して全国にファンがいます。
また、他店では滅多に見られないステラボックス、ウーヘル、スチューダーといったオープンリールテープデッキが常に調整されて展示されています。

世界の名機が並ぶ第1視聴室
ラウザースピーカーとそれを駆動するオリジナルの真空管アンプとFETアンプ
工芸品と呼びたいほどの精緻な構造のステラボックステープデッキ

カワグチオーディオ

岡山県赤磐市馬屋276
☎086-229-2260

(山本尚)