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川口氏は、本来アナログ絶対主義者ではないが、その後市販されているCDの中に原音再生に足る音質のものが少ないことから、良い音源を求めてレコードの初期盤に至ったのである。
レコードの初期盤とは、生演奏を録音したマスターテープをもとにカッテイングマシンで削られた原盤から最初にプレスされたレコードである。
氏が勧めるレーベルとして1950年代に録音されたチェコスロバキアのスプラフォン社や旧東ドイツのエテルナ社のLPがある。1950年代録音のゲバントハウス オーケストラのベートーベン交響全曲集をエテルナ社の初期盤と国内プレス盤を聞き比べてみた。
初期盤はバイオリンのパートがきれいに分解されて低音が充分に広がる堂々とした演奏に聞こえた。
一方国内でマスターテープからカッテイングされたものは高音の解像度が悪くて騒々しい音質に聞こえた。
LPの初期盤がすべて良い音質であるというわけではないが、良い音質のCDを捜すよりも見つけやすい。
これは、それが作成された時代の録音やレコードプレスにおいてシステム自体が単純なことによる恩恵と考えられる。
例えばロシアのバイオリニストのハイヘッツが演奏する、ベートーベンのヴァイオリンコンツェルトのLPの初期版を聞くと、定評通りの素晴らしいテクニックで豊かな音楽性を表現していることよくわかる。
(山本尚)

初期盤の音質について説明する川口氏
1957年エテルナ社ベートーヴェン全曲集

川口高史
カワグチオ-ディオ
岡山県赤磐市馬屋276
☎086-229-2260